給湯器の寿命は何年?標準使用期間10年の意味と製造年の調べ方・交換の判断
給湯器の寿命の目安は、ガス給湯器なら「設計上の標準使用期間」の10年です。まず本体の銘板(シール)で製造年を確かめます。10年を過ぎていて調子が悪いなら、修理より交換を考えたほうがよい時期です。
まず結論:ガス給湯器は「10年」が点検・交換の目安
- 家庭用のガス給湯器は、設計上の標準使用期間が10年とされています
- メーカーは10年を点検・取り替えの目安にしています。製造から9〜11年が点検を受ける時期です
- 製造年は、本体に貼られた銘板(シール)で確かめます
- 10年を過ぎて、お湯の温度が安定しない・異音・においなどがあれば、交換を考える時期です
- 交換の工事、とくにガスの工事は資格を持つ人が行います
「設計上の標準使用期間」とは
設計上の標準使用期間とは、標準的な使い方をした時に、安全上の問題なく使える期間としてメーカーが設計した年数です。
- 「10年で必ず壊れる」という意味ではありません
- 逆に、10年を超えると部品の劣化で事故のおそれが高まるため、点検や取り替えが勧められています
- 「耐用年数」は税金の計算などで使う言葉で、機器の寿命とは別のものです
種類別の寿命の目安
| 種類 | 寿命の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| ガス給湯器(家庭用) | 10年 | 設計上の標準使用期間(業界団体・メーカー) |
| エコキュート | およそ10年 | メーカーの案内(使い方で前後する) |
| 石油給湯器(家庭用) | 10年 | 設計上の標準使用期間(メーカー)。国の点検制度の対象 |
使う頻度や設置場所(海の近く・寒い地域など)で、寿命は前後します。
点検の制度は種類で違う
- 石油給湯器・石油ふろがまは、国の「長期使用製品安全点検制度」の対象です。購入時に所有者登録をしておくと、点検の時期にメーカーから知らせが届きます
- 石油給湯器は、2009年4月以降に製造されたものが対象です。製造から9〜11年の間が点検の時期です(家庭用の設計上の標準使用期間10年の前後1年)
- 屋内に置くガス給湯器(屋内式ガス瞬間湯沸器・屋内式ガスふろがま)は、以前は同じ制度の対象でしたが、2021年8月1日の政令改正で外れました。経済産業省は、外れた製品もメーカーの点検を受けるよう勧めています。今はメーカーが有償の「あんしん点検」を行っています
- ノーリツの給湯器のリモコンに出る「888」は、故障ではなく点検時期のお知らせです。くわしくはノーリツの888を見てください
製造年の調べ方(銘板を見る)
- 給湯器の本体を外から見て、正面のシールを探します。型番がいちばん大きく書かれています
- 正面にない時は、側面・底面、または前のカバーの内側を見ます
- シールの中の「製造年月」や、数字の並びを確かめます。読み方がわからない時は、メーカーの窓口で確かめられます
- シール全体を写真に撮っておきます。見積もりや修理の相談で、そのまま使えます
表記の読み方はメーカーで違います。型番から号数や種類を調べる方法は給湯器の型番から調べるにまとめています。
交換を考えるサイン
次のような症状が、10年前後の給湯器で出てきたら交換を考える時期です。
| サイン | 考えられること | すぐやること |
|---|---|---|
| お湯の温度が安定しない・ぬるい | 部品の劣化 | 使いながら点検・見積もりを頼む |
| ボンという音・いつもと違う音 | 点火や燃焼の不調 | 使うのをやめて点検を頼む |
| 排気口から黒い煙・異臭 | 不完全燃焼のおそれ | すぐ使うのをやめる |
| 本体の下から水が漏れる | 内部の配管の劣化 | 点検を頼む |
| 同じエラーが何度も出る | 部品の故障 | エラー番号を控えて相談 |
| 点検時期のお知らせ(888など) | 使用年数が目安に達した | 点検を受ける |
ほかのサインは給湯器が壊れる前兆にまとめています。
エコキュート・電気温水器の場合
エコキュートは、空気の熱でお湯をつくるヒートポンプユニットと、お湯をためる貯湯タンクの2つでできています。寿命の目安はおよそ10年とされていますが、2つのうち片方だけが先に故障することもあります。
- 片方だけ修理するか、両方まとめて交換するかは、使用年数と修理費で決めます
- 古い電気温水器からエコキュートに替える場合は、国の補助金に撤去の加算があります。くわしくはエコキュートの補助金を見てください
交換までの間に気をつけること
すぐに交換できない時は、次の点に気をつけて使います。
- 排気口のまわりに物を置かない。日本ガス石油機器工業会は、洗濯物・木材・紙類などの燃えやすい物を置くと火災の原因になるとしています。ノーリツも、給気口・排気口を物や塀でふさぐと不完全燃焼の原因になるとしています。波板やビニールで囲うこともしません
- 冬は凍結に気をつけます。配管が凍ると、本体や配管が傷む原因になります。対策は給湯器の凍結防止を見てください
- エラーが出たら、番号を控えて給湯器のエラーコード一覧で意味を確かめます。何度も出る時は自分で直そうとせず、点検を頼みます
修理か交換かの判断
| 使用年数 | 症状 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 保証期間内 | 故障・不調 | まずメーカーか購入先に連絡する |
| 10年未満 | 部品の故障 | 修理を考える。修理と交換の両方の見積もりを取ると比べやすい |
| 10年以上 | 故障・不調が出ている | 交換を考える。修理部品がないこともある |
| 10年以上 | 不調はない | 点検を受け、交換の準備(見積もり)を始める |
- 10年を超えると、メーカーの修理部品の保有期間が終わっていて、修理できないことがあります。ノーリツ・リンナイとも、ガス給湯器の修理用の部品(補修用性能部品)の保有期間を、生産終了後7年(BL認定品は10年)としています
- 修理しても、ほかの部品が続けて壊れることがあります
- 冬は故障と交換の依頼が増え、工事まで日数がかかることがあります。壊れる前に見積もりを取っておくと慌てずにすみます
交換の進め方は給湯器交換の流れ、費用は給湯器交換の費用を見てください。エコキュートなどに替えるなら給湯器の補助金も使えます。
よくある質問
ガス給湯器の寿命は何年ですか?
家庭用のガス給湯器は、設計上の標準使用期間が10年とされています。これは「10年で必ず壊れる」という意味ではなく、普通に使って安全に使える目安の期間です。メーカーは10年を点検・取り替えの目安にしています。
給湯器の耐用年数と寿命は同じですか?
同じではありません。「耐用年数」は税金の計算などで使う言葉で、機器の寿命とは別のものです。給湯器の寿命の目安としては、メーカーが示す設計上の標準使用期間を見ます。
石油給湯器は30年もつと聞きましたが本当ですか?
長く使えている例はありますが、年数がたつほど部品の劣化による事故のおそれが高まります。石油給湯器は国の長期使用製品安全点検制度の対象で、決められた時期に点検を受けることが勧められています。
製造年はどこを見ればわかりますか?
本体の正面や側面に貼られた銘板(シール)に、型番と製造年月が書かれています。見つからない時は、リモコンや取扱説明書、メーカーの窓口で確かめられます。
次にやること
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出典・参考にした資料
- 日本ガス石油機器工業会「長期間使用した製品は重大な事故発生のおそれがあります(ガス給湯器)」(家庭用ガス給湯器の設計上の標準使用期間は10年、点検期間は製造後9〜11年未満)
- リンナイ「設計上の標準使用期間について」(設計上の標準使用期間の考え方)
- リンナイ「ガス給湯器の点検・取替え目安は10年です」(メーカーが10年を点検・取り替えの目安としていること)
- ノーリツ「製品の寿命 点検・取り替えの目安について」(給湯器の点検・取り替えの目安)
- パロマ「法定点検からあんしん点検への移行について」(屋内式ガス給湯器が特定保守製品から外れたこと、石油給湯器・石油ふろがまは引き続き対象であること)
- パロマ「製品を長くご愛用の皆様へ お知らせ」(銘板の製造年月で使用年数を確かめることと、10年を目安にした点検・買い替え)
- リンナイ「機器の型番やガスの種類はどこを見ればわかりますか?」(本体正面のシールで型番を確かめられること)
- コロナ「設計上の標準使用期間は何ですか。」(石油給湯機・石油ふろ釜の設計上の標準使用期間は10年)
- コロナ「特定保守製品とは何ですか。」(2009年4月以降に製造された石油給湯機・石油ふろ釜などが特定保守製品)
- ノーリツ「法定点検について」(特定保守製品の点検期間は設計上の標準使用期間(家庭用10年)にもとづく。2009年4月以降に製造された石油給湯器が対象)
- 経済産業省「消費生活用製品安全法改正について」(令和3年(2021年)8月1日の政令改正で、屋内式ガス瞬間湯沸器・屋内式ガスふろがまなど7製品が特定保守製品から外れ、石油給湯機・石油ふろがまは引き続き対象)
- 経済産業省「消費生活用製品安全法施行令改正に関する解説(Q&A)2021年度版」(指定から外れた製品の経過措置と、メーカーの自主点検を受けることの勧め)
- 日本ガス石油機器工業会「ガス給湯器・ガス給湯付ふろがま[屋外設置式]の安全な使い方」(排気口のまわりに可燃物(洗濯物・木材・紙類など)を置かない、波板などで囲わない)
- ノーリツ「ガス給湯機器の設置に関するご注意について」(給気口・排気口を物や塀などでふさがない(不完全燃焼の原因))
- ダイキン「エコキュートの平均寿命はどれくらい?」(エコキュートの一般的な寿命の目安がおよそ10年であること)
- ノーリツ よくあるご質問「修理部品はどれくらい保有していますか?」(補修用性能部品の保有期間(BL認定品のふろ・給湯機器10年、それ以外のガス給湯器・ガス給湯付ふろがま7年、ガスふろがま6年))
- リンナイ「修理のお申し込み」(補修用性能部品の保有期間(ガス給湯器7年、BL認定品10年など))
内容は出典の公開情報をもとにしています。製品ごとの手順は、お使いの機種の取扱説明書を優先してください。